著者
サイモン・シン
エツァート・エルンスト
主な内容
いわゆる主流医療から外れたところに位置する代替医療について
鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブが主題として語られているが、導入として軽くですが医療の歴史についても触れられている
歴史とは言ったものの、歴史と言うにはあまりにも文量が少ないので歴史とは言えないですが、誤った医療行為についてわかりやすく取り上げられている
で、結局ですね、我々全員が要はモルモットなのだと思う
21世紀人類は医療に関してはまだまだ未開でこれからもどんどん「医療ミス」と呼ばれる行為で命を落としていくであろうことが予想される
ただし、現代人が享受できている、特に我々日本人は人類史上最も確かな医療行為の恩恵を存分に受けられる環境にいることを、これまで犠牲になってくれた人達、解剖用として人体を提供してくれた人達に感謝するべきであると思う
その感謝を忘れずに出来る限りの貢献ができればと思う
できる限りに貢献とは人それぞれに価値観が違うので、差ができてしまうが、それぞれが出来る限り貢献することによって未来の人類へより確かな医療が提供できることを願うばかりです
サイモン・シンの過去の書籍とは少しだけ毛色が違うという印象
別人が書いたんじゃないかなと思えるほど
フェルマーの最終定理も暗号解読も宇宙創成もエンターテイメント性のあふれた娯楽色の強い内容だったと思うのだけど、代替医療解剖はエンターテイメント性は薄いと言うか無いと言ってもいいくらい少ないです
宇宙創成が一番近いかも
宇宙創成は過去の理論がひっくり返されていく歴史を目の当たりにできた素晴らしい内容ですが、宇宙創成は内容が内容だけに現実感が薄く、どうしても他人ごとのように感じてしまいがちですが、代替医療解剖は問題の当事者として捉えられると言う点が大きく異なっていると思います
過去の著書はレポートのようなものに対して、存分にできる限りのエンターテイメント成分を付与してともて興味深い内容へと変貌をとげていると言えます
とくにフェルマーの最終定理は数式がまったく理解できなくても楽しめるような代物へ仕上げている点は秀逸という他ありません
ところが今回は本当にレポートですね、警告、戒めといった要素が本当に強くなっています
内容が医療ということで大変デリケートに慎重を極めたような仕上がりになっていますので読む際は気を引き締める必要があるかもしれません
しかし、この本の内容は非常に参考になると思います
医療について書かれていますが、この本から得られる知識は決して医療分野に特化したものではありません
他の分野にも転換が可能なはずです
直接的にこの本の内容の手法を取る必要はありませんが、取り組み方、問題に対する意識のしかたは非常に参考になると思いました
ポリアの「いかにして問題を解くか」にも共通点を沢山感じ取れます
すばらしい本です
もしあなたが鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブに興味がなくても読むことをオススメします
この本で取り扱われている題材はこの本の素晴らしさに一切関与していません
問題解決の方法論を知りたい方は是非読んでください
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