三島由紀夫著
「三島由紀夫ミーツ星新一」とでも言おうか三島由紀夫のミステリー長編
ミステリーと言ってもちょっとクセがあってそのあたりの味わいが星新一風かなと
睡眠薬自殺に失敗した男がなんかいろいろどうでも良くなって、じゃあ命売るから誰か殺してくれって言う話
なんだけどなかなか死なない
命を買いに来た人達はそれぞれ命がけの任務を男に与えるがやっぱり死なない
そうこうするうちに謎の組織に命を狙われる事態になるのだけど、そうなると今度は死ぬことが急に恐ろしくなってしまう
死とは、生きるとはどういうことかと言うことを三島由紀夫がどう考えているか
この作品は自殺の二年前に描かれたものだそうなので、この時点では三島由紀夫自身、その後どうするかはっきりしている状態での作品なだけに、それらを合わせて読んでみると非常に楽しめると思う
三島由紀夫の上質な文章でこんな感じの話が読めるというのは貴重
なぞの組織、とても癖のある登場人物達の物語としてもとても洗練された読みやすい作品
ネタバレになるのだけど、個人的には最後の警察に駆け込むところなんかいいですね
全く相手にされないの
そりゃそうなんだけどさ、実際警察にはこういうこと言う人が訪れそうだし
って言うのが面白かったな
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